脚本家学校05 シナリオ・センターの体験談

私はシナリオ・センター(通称シナセン)のシナリオ作家養成講座(初心者コース)に通っていました。大阪もあるので東京と言ったり、青山とか表参道のシナリオ・センターと言う人もいました。表参道駅が一番近いですが、私は渋谷から歩いて通ってました。原宿から歩いて通う人もいました。

昼と夜で全く同じ内容の授業があり、私は夜に通っていました。都合が悪ければ昼に出ても良かったです。実際に昼の人が夜に来たりしてました。昼は主婦が多いです。夜は大学生やサラリーマンが多く、女性の方がちょっと多いぐらいです。仕事で毎回遅刻してくる人もいました。年齢層は幅広かったです。

夜は80人ぐらい生徒がいて、一番大きい教室がほぼ満員でした。毎回、課題があり、次回までに課題を家で書きます。課題は徐々に難しくなり枚数も多くなるので、課題を出せなくなる人はいましたが、途中で辞めた人はいなかったと思います。休んでも事務所の人が授業内容を教えてくれます。

授業料が一番高く期間も半年間と長いことから、シナリオ・センターの看板講師がじっくり教えてくれます。プロを目指してる人も友達と趣味程度にやる人もいました。人数が多いことで仲良くなる人や添削された課題を見せ合ったりできましたが、一人で孤独にやる人も多かったです。

シナリオ作家養成講座の講師はシナリオ・センターの所長の後藤千津子先生でした。途中から入れ替わりで柏田道夫先生も教えてくれました。後藤先生はテレビドラマ「芳べえ物語」、柏田先生は映画「武士の家計簿」を書いたプロの脚本家です。2人とも経験談を話しつつ、教え方も上手かったです。

後藤先生は参考書「シナリオの基礎技術」の内容を詳しく解説したような授業でした。柏田先生は脚本の書き方の本や小説も書いているので、実際に映画のシーンをみんなで見て技術の分析、企画書の書き方、小説の脚色、コンクール用のあらすじの書き方など実践的なものでした。

授業には毎回、課題があり、次回の授業までに家で課題を書かなければいけません。課題は授業前に集められ、授業中に別の講師が添削して、授業が終わると添削された課題が返ってきます。驚くほどスピードが速く、課題の添削はちょうどいい感じにダメ出しして褒めてくれるので、凄く良かったです。

課題の添削は裏面にその課題の狙いや感想が大量に書かれます。課題には直接、赤ペンで良かったところや間違ったところが書かれます。私の課題はよく柱や人物表の書き方を直されてました。独学で勉強していて分かったつもりになっていることは、誰かに指摘されないと分かってないことに気付きません。

課題は徐々に難しくなり枚数も増え、最大で原稿用紙10枚になります。週1回ペースで6か月間も課題を書き続けるので、後半はアイデアも無くなり課題が書けなくなってきます。私は間に合わず課題を3週分まとめて出したこともあります。他の人が課題を出しているのを見ると、自分も頑張ろうと思えます。

最終日に修了証書を受け取って修了です。授業に全て出席していなくても課題を全て提出していなくても一緒に修了します。課題を全て提出すると、修了証書と同時に後藤先生のサイン入り「シナリオの基礎技術」を貰えます。すでに持ってるなら違う参考書を貰えます。

シナリオ作家養成講座を修了すると、8割ぐらいゼミナール研修科(実践コース)に進級しました。ゼミナール研修科に講義は無く、30本の課題を書いて生徒の前で朗読して感想を聞きます。15人程度の少人数制で、同じ曜日と時間でも複数のクラスがあるので、別々のクラスに少人数ずつ分散しました。

ゼミナール研修科に進級しなかった人はそこで退会しました。ゼミナール研修科は課題の感想を言い合う形になるので、シナリオ・センターでできた友達と脚本を見せ合う方が良いと、友達同士で退会した人が多かったです。基本は習ったので後は独学でやるという人や通信の研修科で続けるという人もいました。

シナリオ作家養成講座の課題は授業前に提出して、授業を受けている間に別の場所で添削され、授業後に返却されるので、どの講師が課題を添削していたのか分かりませんが、最後の課題に今まで提出した課題の中でどの脚本が良かったか書かれていたので、同じ講師が課題を添削していたと思います。

シナリオ作家養成講座は学校と同じような感じです。シナリオ・センターには予備校のような特別授業もあります。コンクール用の脚本の添削、企画書の書き方、ラジオドラマ、マンガ原作、小説講座、無料相談会などです。私はシナリオ作家養成講座の時にコンクール対策講座と夏合宿を受講しました。

コンクール対策講座はシナリオコンクールの関係者が来て講義してくれます。どういう脚本を求めているかなどです。質疑応答もあり、前回の受賞者も来るので、役に立った参考書などを聞けました。講義後に、シナリオ・センターの講師がシナリオコンクールの対策も教えてくれました。

夏合宿は夏休みに六本木ヒルズで3日間行われました。地方からホテルに泊まって参加する人もいました。1日目は全員で講義を受けます。ホテルに移動して、シナリオ・センター出身の脚本家と話をしたり名刺交換できます。3.5枚の宿題を出されるので、家に帰って必死に書きます。

2日目は2.5枚の課題を2時間以内に書いたり、映像を見ながら解説する講義がありました。15人ぐらいのグループで3.5枚の宿題の発表をしました。女性10人男性5人でした。順番に自分の脚本を朗読して他の生徒が一人ずつ感想を言って最後に講師がアドバイスをしてくれます。

3日目は脚本家の講義と宿題の優秀賞が発表されました。熱い人がいたり、初心者からベテランまで、年代もバラバラなのに共通の話題があって、脚本漬けの生活が楽しかったです。卒業生で活躍してる人がどんな仕事をしてるのか聞けたのも、将来が想像できて良かったです。

シナリオ・センターの初心者コースの講義内容は市販の参考書「シナリオの基礎技術」を読むと分かります。かなり昔の本なので、シナリオ・センターの初心者コースの講義では、分かりやすく説明しています。シナリオ・センターの課題・20枚シナリオに関しては続編の「シナリオの技術」に載っています。
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