脚本家独学07 SAVE THE CATの法則では脚本を書けない

SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」は脚本の構成を分かりやすくまとめた参考書です。「SAVE THE CATの法則」で脚本を書けなければ何を使うのかというと、「SAVE THE CATの法則」の続編の「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術 SAVE THE CATの法則」です。

脚本の構成は昔からあります。脚本の構成をまとめた有名な参考書は「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」です。「SAVE THE CATの法則」の作者が読んで、脚本を書くには空白部分があったので、足りない部分を足したものが「SAVE THE CATの法則」です。

私は「SAVE THE CATの法則」のとおりの構成をエクセルで計算していました。例えば、55枚の脚本なら「悩みのとき」の項目は何枚目の何行目から何枚目の何行目まで書くみたいな感じです。この構成で脚本を書くと、最後の方の項目は空白部分があり、脚本を書くのが難しかったです。

「SAVE THE CATの法則」の続編の「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術」を読むと、問題が解決しました。「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術」は「SAVE THE CATの法則」を実際の映画に当てはめて、どの部分がどの項目なのかを「SAVE THE CATの法則」の作者が解説したものです。

紹介されている映画を見て分析してみると、「SAVE THE CATの法則」の時間配分とは全然違っていたり、項目の順番が入れ替わっていたり、存在しない項目もありました。映画「クラッシュ」は3つの項目が1つになっていました。「SAVE THE CATの法則」の作者本人の分析なので信頼できます。

「SAVE THE CATの法則」は10パターンに分かれていましたが、「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術」は10パターンにはさらに5パターンあり、10×5の50パターンが紹介されています。「SAVE THE CATの法則」で紹介されていたのに紹介されていない映画もありパターンはもっとあるでしょう。

「SAVE THE CATの法則」の10パターンは分け方が独特でよく分からないこともありましたが、映画の数だけ構成のパターンはあるという方が分かりやすいです。「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術」には似ている映画を一本残らず見て、どんなふうに書いているか学べと書かれています。

似ている映画の構成を真似するのは昔から言われている勉強方法です。自分で分析するのは時間もかかり面倒なので、「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術」で分析されている構成をそのまま使うと楽です。ただ「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術」の構成でも空白部分があります。

「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術」の続編の「SAVE THE CATの逆襲 書くことをあきらめないための脚本術」に空白部分が多い「フィナーレ」の項目はどうやって書くのか書かれていますが、微妙だったので、似ている映画の構成をそのまま真似して、細かく時間配分した方が簡単だと思います。

私は好きな映画を32分割して、構成で困ったときに好きな映画ではこの部分はどういう話をやっているのかを見て真似しています。以前は構成を全部真似していましたが、構成にこだわり過ぎると不自然になることが多かったです。プロットの段階で構成を細かく分割しておいた方が脚本をはやく書けます。

「SAVE THE CATの法則」は構成のことだと思われていますが、構成は「ブレイク・スナイダー ビート・シート」という名前です。「SAVE THE CATの法則」は主人公に猫を助けさせて、主人公の好感度を上げろという法則のことで、構成よりもこっちの方が割と重要です。
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