脚本書き方03 脚本のト書きの書き方

ト書きとは、場所の説明をする柱や人物のセリフではない文章のことです。

脚本の書き方は初心者には難しく、こういう場合の柱やト書きはどう書けばいいとか、私もシナリオスクールで質問していました。プロの脚本家が書いた脚本を読んで分かったのは、質問する内容をそのままト書きに書けばいいということです。

伝わるかどうか不安な表現は無理に柱にするより、ト書きで~みたいな感じと書いた方が分かりやすいです。プロの脚本家の脚本ではト書きにYoutubeのアドレスを載せている人もいました。シナリオコンクールではYoutubeのアドレスのト書きはダメですが、難しい表現より伝わることが大事です。

ト書きは補足説明の役割が多いので、伝わるか不安になってト書きだらけにする人もいますが、ト書きが多い脚本は読みづらいです。動作などの人物のト書きはセリフの中に入れると読みやすくなります。人物「(笑いながら)~」とか人物「(立ち上がって)~」とかです。

ト書きは初めに数文字の空白を開ける字下げをします。私が通っていたシナリオスクールではト書きの字下げは3文字と教えられました。プロの脚本家が書いたドラマの脚本が載っている月刊ドラマのト書きの字下げは2文字です。

ト書きの字下げは2文字か3文字か疑問に思う人は多いです。シナリオスクールや脚本の参考書には、ト書きの字下げを2文字と教えている場合も、ト書きの字下げは3文字と教えている場合もあります。

・ト書きの例(字下げ3文字)
○高級時計店・中(夜)
   高そうな腕時計が展示されている。
   店員が三つの腕時計を並べて見せてい
   る。
   金田は食い入るように見ている。
店員「いかがでしょうか」
・ト書きの例(字下げ2文字)
○高級時計店・中(夜)
  高そうな腕時計が展示されている。
  店員が三つの腕時計を並べて見せている。
  金田は食い入るように見ている。
店員「いかがでしょうか」

昔の月刊ドラマを読むと、月刊ドラマのト書きの字下げが2文字の理由が書いてありました。月刊ドラマは字下げが1文字のト書きの人と字下げが3文字のト書きの人がいたので、間の字下げが2文字のト書きにしたそうです。

ホームページで公開されているシナリオコンクールで受賞した実際の脚本のト書きを読むと、ト書きの字下げが2文字の人もト書きの字下げが3文字の人もいるので、シナリオコンクールではト書きの字下げが2文字でもト書きの字下げが3文字でも審査には関係無さそうです。

ト書きの字下げが1文字は読みづらいです。ト書きの字下げが4文字では改行が多くなり読みづらいです。ト書きの字下げは3文字が読みやすいですが、ト書きが多い人はト書きの字下げを2文字にした方が読みやすいです。脚本によって違うので、実際に見比べてト書きの字下げを決めればいいです。

東京の神田神保町には有名な古本街があり、使い終わったドラマの台本も売っています。その台本を見ると、ト書きの字下げは5文字か6文字ぐらいです。

私はト書きの字下げを3文字でシナリオコンクールに応募して大賞を受賞しました。台本になったものはト書きの字下げが5文字に修正されていました。台本の場合は1行の文字数が多いので、ト書きの字下げは5文字でもいいですが、シナリオコンクールは1行20字なので、ト書きの字下げが5文字では読みづらいです。

シナリオコンクールではト書きの字下げの指定はほどんどありません。私はあまり多く書きたくないのと見た目に分かりやすいのでト書きの字下げは3文字にしていますが、もし規定枚数を超えるぐらい脚本を書いたならト書きの字下げを2文字に変更します。ト書きの字下げの文字数を変えるだけで、枚数が変わります。
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