傾向と対策06 脚本の推敲の回数は何回が効果的なのか

私は推敲するのが好きなので、延々と推敲してしまいます。推敲すればするほど、どんどん良くなっていきます。本当にそうでしょうか。これは勘違いです。推敲して何度も脚本を修正する作業は時間がかかります。努力をしたから、無駄ではなく効果が出たと思いたいだけです。

かなり時間をおいて冷静になってから、推敲前の脚本と推敲後の脚本を比較してみました。読み比べれば推敲後の脚本の方がいいです。推敲を繰り返して何度も修正することで、無駄な部分がそぎ落とされ、セリフも研ぎ澄まされます。たた、面白さはほとんど変わりませんでした。

この程度の違いなら、シナリオコンクールの審査結果は変わらないでしょう。一つの脚本に時間をかけるよりも、別のシナリオコンクールの脚本を書いた方がいいです。シナリオコンクールに応募すればするほど、シナリオコンクールで大賞を受賞する確率は上がります。

「こたつめがね式」で「短時間で書く」ことを推奨しているのもそのためです。誤字脱字だけチェックして、さっさとシナリオコンクールに応募しましょう。新作を書くことから逃げるために、何度も推敲を繰り返してしまう人もいるので注意が必要です。

推敲して構成を変更したりする人もいますが、それは箱書きの段階でやればすぐに終わります。推敲して大幅に変更する人は、箱書きが不十分な状態で脚本を書いてます。脚本を書いてしまってから変更するのは時間もかかり、修正ミスすることも多いので、効率が悪いです。

私は推敲しないで応募した脚本の方が受賞しています。考えられる原因としては、後で書き直せばいいと思うので適当な脚本になる、伝わるか不安になって説明が多くなる、初めの脚本が適当なので推敲しても適当な脚本にしかならない、などが考えられます。

私はシナリオコンクールの締め切りから逆算してギリギリに脚本が書きあがるようにしています。早く完成すると、推敲して修正したくなります。何度も推敲して修正していると、何が面白いのか正常に判断できなくなって、平凡な脚本に落ち着くことが多いです。

推敲して何度も書き直すと作者の頭の中には修正前の脚本があるので、初めて読んだ人と印象が変わることも注意が必要です。シナリオコンクールでは細かいところにこだわるよりも、構成などにこだわった方がいいです。粗削りでも勢いのある脚本の方が評価されます。

私は推敲せずに応募します。落選したら箱書きからやり直して他のシナリオコンクールに応募しています。シナリオコンクールは結果が出るまで時間がかかるので、シナリオコンクール前とは違って冷静な判断ができ、新しいアイデアも浮かびます。

プロの脚本家は推敲して何度も書き直します。私もシナリオコンクールで受賞して、受賞作が放送されたときは直しと呼ばれる修正作業が7回あり、その度に徹夜して時間ギリギリまで推敲して何度も書き直しました。推敲は受賞してから好きなだけやればいいです。
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